
家は人の手によってつくられるもの。決して工場でつくるものではありません。そして、家に暮らしを合わせるのではなく、暮らしに合わせた家にすることが、本来の家づくりのあり方。私たちはずっとそう信じてきました。
ところがいま、建具ひとつにしても、一からつくると言うとお客様はびっくりされます。メーカーのつくる既製品の中から選ぶものだと思い込んでいらっしゃるのです。昔は建具屋さんにオーダーするものだったし、工房信州の家ではそれが当たり前です、と申し上げると二度びっくり。それくらい日本の家づくりは工業化され、規格化されているんですね。
でも、人の個性は千差万別。決して規格化されないものです。そんな個性をもった人間が集まって住むのが家なのですから、やはり人の手によって、住む人に合わせた家を丁寧につくり上げるのが当たり前なのではないでしょうか。私たちはそんな風に思っています。
「きれいに仕上がっていればどっちでもいいよ」とおっしゃる方もおられることでしょう。しかし、2、3年経った時、もう一度見直してみてください。私たちがつくった家は、人が生活することによって味わいが出て、色も深みを増しているはずだという自信があります。使い込むほどに馴染んでくる家、それが職人が手づくりすることの値打ちなのですから。